いわゆるホワイトワークと呼ばれる白い布に白い糸で刺繍をするものの中には、
ヒーダボーやら、アジュールやら、シュヴァルムやら、名前が難しいものがたくさんあります。
その中でも、何が違うのか?
よくわからないのが、ドロンワークとハーダンガーです。
そこで、いろいろ調べてみましたので、
ドロンワークとハーダンガーの違いを共有しておこうと思います。
ドロンワークとは?
まず、最初にドロンワークについてです。
ドロンワークとは、drawn thread workと言い、
- 織り糸を引き抜き、
- 残った織り糸を束ねたり結んだりして、
- 模様を作っていくタイプの刺繍のことです。
また、ドロンワークの場合、
布の織り目を数えながら刺繍する!
というのが基本になります。
ハーダンガーとは?
一方、ハーダンガーの方は何か?
というと、
- 織り糸も引き抜くし、
- 布の織目を数えながら刺繍するので、
ドローンワークの一種として考えれば良いようです。
ノルウェーのハーダンガー地方で生まれたので、
その地名を取って「ハーダンガー刺繍」と呼ばれます。
「な~んだ。じゃあ、ドローンワーク=ハーダンガーだと思っていればいいのね?」
そう思った方。
残念ながら、ちょっぴし違います。
ドロンワークとハーダンガーの違い
私自身もすごく詳しいわけではありませんが、
海外のウィキなども調べた結果、
ドロンワークの基本は、ヘムステッチなんです。
ヘム(hem)とは、布の端のことなので、
要するに、布端に施す装飾刺繍=ドローンワークと考えると良さそうです。
一方、ハーダンガーの方は、
縦横に施されるサテンステッチが基本となります。
また、織り糸を抜いた後に行うステッチもシンプルなものが多いのが特徴です。
それらを組み合わせることで、大きな幾何学模様を作っていきますので
布端だけ・・・なんてことはありません。
あ、そうそう。
布端と言えば、ハーダンガーの場合、
ボタンホールステッチは布をそこでカットする場合だけにしか使わないのがルールだそうです。
(中央部分に模様を作るためボタンホールステッチは使わない)
さらに、
ドロンワークでは、使う糸はアブローダー。
ハーダンガーの方は、コットンパールになります。
まとめ
いかがでしたか?
ドロンワークとハーダンガーの違い、理解できたでしょうか?
もっとも、実際に刺繍するにあたっては、
これらをきっかり区別する必要は、ありませんよね?
むしろ「いいな」と思う作品の多くが、
いろいろな刺繍の手法を組み合わせて作ってあります。
実は、私自身、
海外のハーダンガーの本を購入して作っている間に、
「なんか、ハーダンガー楽しくないぞ・・・」
という気分になってしまっていました。
その理由は、
模様のシンプルさにありました。
今回、ドロンワークとハーダンガーの違いを知って、
ついでに、ヒーダボーやアジュールの手法なども知ったので、
ハーダンガーだけにこだわらず、
いろんなホワイトワークを組み合わせてみたくなりました。
ということで、とりあえず、アブローダーの糸とリネンの布。
買いに行ってきます!