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洋裁そのものは嫌いではないのに、作業を始めてしばらくすると、だんだんつらくなってくる。
目が疲れ、肩がこり、集中力が続かない。
「今日はここまでにしておこう」と、予定より早く手を止めてしまう。
そんな経験はありませんか。
多くの場合、その原因は、技術不足や体力の問題だと思われがちです。
あるいは、年齢のせい、長時間作業したから仕方ない、と自分を納得させてしまうことも多いかもしれません。
けれど実際には、洋裁がつらくなる原因は「目」にあることが非常に多いのです。
※私も一時期、目から来る体調不良のせいで、ハンドメイドはやらない!と宣言したことがありました。
洋裁は、生地の色や質感、縫い目のわずかな違いを、近い距離で、長時間見続ける作業です。
その負担が積み重なると、目だけでなく、肩や首、集中力にも影響が出てきます。
そしてもうひとつ、見落とされがちなのが、作業部屋の照明と「見え方」です。
明るい照明を使っていても、目がラクとは限りません。
「見えている」と「無理なく見続けられる」は、まったく別の状態だからです。
作業時間を減らすのではなく、作業しても疲れにくくするためには、
- 照明の「明るさ」だけで判断しないこと
- 影とコントラストを意識すること
- 作業中の「見え方」を整えること
が大切です。
これらは、特別な道具や高価な設備がなくても、少し視点を変えるだけで見直せます。
このあと、なぜ目が疲れるのか、どこをどう整えればいいのかを、順番に整理していきます。
目次
洋裁で目が疲れやすいのは何故か?
「長時間だから仕方ない」と思われがちな理由
洋裁をしていると、気づけば何時間も作業を続けてしまうことがあります。
そのため、「目が疲れるのは長時間作業しているから」と片付けがちです。
もちろん作業時間が長いと負担は増えますが、それだけが原因ではありません。
洋裁は目にとって負担が集中しやすい作業
洋裁では、生地の色や織り目、縫い目のわずかな差を確認し続ける必要があります。
近くを凝視する作業が続くため、目のピント調節やまばたきの回数が減り、疲れやすくなります。
目の疲れが、肩こりや集中力低下につながる
目の疲労は、首や肩の筋肉に余計な力を入れさせます。
さらに集中力が落ち、作業効率も低下します。
「目だけの問題」と思っていても、体全体に影響が出るのです。
明るいのに目が疲れる作業部屋の共通点
照明が足りないのではなく、合っていない
明るさが十分でも、目が疲れることがあります。
それは、光の角度や影の出方、反射が作業に合っていないためです。
ただ明るければいいというわけではありません。
ギラギラした夏の太陽の元では、読書はできないのと同様です。
天井照明だけでは洋裁に向かない理由
天井の照明だけでは手元に影ができやすく、縫い目や細かい生地の凹凸が見えにくくなります。
手元専用のライトを追加することで、目に無理な負担をかけずに作業できます。
影がない・コントラストが強すぎる問題
作業台周りが真っ白すぎる、あるいは黒すぎると、目が微妙な差を認識する際に無理に調整しようとして疲れます。
影の出方や色のコントラストを意識すると、目の負担を軽減できます。
部屋の内装の素材が原因になることもあります。
洋裁に適した照明の考え方
明るさよりも「光の当たり方」を意識する
照明の明るさは重要ですが、それ以上に光がどこに当たっているかが大事です。
作業面全体が均等に照らされるようにすると、影による「見えにくさ」を減らせます。
手元灯は補助ではなく主役
天井照明の補助として手元灯を使うのではなく、手元灯を主役として使うと、縫い目や生地の凹凸がはっきり見えます。
位置や角度を調整して、自分の視線に合う最適な光を作りましょう。
作業内容によって照明を使い分けてもよい
洋裁には裁断、縫製、仕上げといくつかの作業があります。
それぞれで必要な光の強さや角度は違うので、柔軟に照明を使い分けると、目の負担を最小限に抑えられます。
照明の「色」が目の疲れに与える影響
昼白色・昼光色・電球色の特徴
照明の色を選ぶ際、基本を知っておくと良いでしょう。
- 昼白色(約5000K):自然光に近く、生地の色を正確に見やすい
- 昼光色(約6500K):やや青みが強く、細かいディテールの識別に向く
- 電球色(約2700K):暖かみがありリラックス向きだが、色味を正確に見分ける作業には向かない
洋裁作業に向く色温度の目安
一般的には、昼白色〜昼光色(5000〜6500K)が最も目に負担が少なく、作業しやすい色温度です。
作業時間帯や部屋の照明環境に合わせて調整しましょう。
夜作業が多い人ほど注意したいポイント
夕方以降や夜の作業では、昼光色は目が疲れやすくなることがあります。
手元灯の色や明るさを少し落とすなど、時間帯に応じた調整が大切です。
最近のLED照明は、色も変えることができますから、そういうものを利用しても良いですね。
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目がラクになる「見え方」をつくる作業スペース
作業台まわりの色と反射
机の色、壁の色、カッターマットの色など、目に入る背景を調整すると、微妙な色や縫い目の識別がラクになります。
明るすぎる白や暗すぎる黒は避け、目に優しい中間色を意識しましょう。
なお、自然の色なら、すべて「目に優しい」わけではありません。
たとえば、部屋の内装に「白っぽい色の無垢材など」が使われている場合、木の色が落ち着くまでの間、「目がちかちかする」感覚を覚えることがあります。
視線が固定され続けることの負担
長時間同じ距離・角度を見続けると、目の筋肉が固まり疲労します。
定期的に遠くを見る、顔を少し上げるなど、視線に余裕を作ることが大切です。
最近は、窓のない家も多いですが、部屋には窓があり、外の景色や気候を感じられる環境があった方が疲れにくいような気がします。
(これは、あくまでも私の独断と偏見ですが。)
もし、窓がない場合は、お部屋にグリーンなどを飾るのも良いと思います。
目を休ませやすい配置という考え方
作業台や照明の位置を、自然に視線を逃がせるように配置することで、作業中でも目をリセットできます。
例えば、手元ライトは角度を変えられるものを使うと便利です。
照明を増やす前に確認したいチェックポイント
この記事を読んで、「さっそく照明を増やそう!」と思った方もいるかもしれません。
でも、いきなり環境を変える前に、まずは今の作業スペースの状態を確認することが大切です。
このチェックリストは、照明や作業の見え方が自分に合っているかを簡単に確認できる項目をまとめています。
Yesならチェックをして、改善の優先順位を整理しましょう。
無理に増やす前に、現状を把握するだけでも、目の負担や作業のしやすさがずいぶん変わります。

ちなみに、私自身、アンティークミシンを使う時には、こんな手元照明を使っています。
電池で点灯するタイプの照明器具なので、コンセントを探さなくて良いし、コードがないので自由に動かせ、とても便利です。

まとめ|目がラクになると、洋裁は自然と続く
洋裁に限らず、ハンドメイドには「目」が命です。
私自身、「目」から来る不調を経験しているので、余計にそう思います。
ぜひ、若いからと無理をしないでもらいたいです。
事実、無理をしない作業環境が、結果的に上達にもつながるのですが、
照明は、住まいに付属しているものなので、どうしても後回しにされがちです。
無理に頑張らず、上手に環境を「整えていく」と良いと思います。